効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

富士電機は地熱発電に強い

富士電機システムズ地熱発電プラントを過去10年間に受注した案件の定格出力合計が約70万キロワットで世界シェアの4割以上になっているという。このシェアを年間20万キロワットづつ積み上げて、2011年度には5割以上に持っていこうとする目標を持っている。ニュージーランドのマイティー・リバー・パワー(MRP)から受注し、10年5月に運開予定の「ニア・アワ・プルア発電所」(13万9千キロワット)は、単気筒では世界最大の地熱発電プラントとなる。
富士電機がこれほど地熱発電プラントに強いとは知らなかった。地熱の潜在開発容量が2千万キロワットといわれるほど大きいインドネシアを中心に、中南米やアフリカへの進出を目指している。今年度内には低温の地熱蒸気を活用できる新方式を投入して国内市場も開拓しようとしている。前に書いたことのある、低温で蒸発する熱媒体を使ってタービンを回す方式だろう。
米国のグリーンニューディール政策の推進策にも地熱発電が対象となるので、一気に開発が進む可能性もある。日本も地熱の利用について新しい推進策が準備されたようだから、もともと地熱そのものは開発すればいくらでもあるのだから、地産地消のエネルギーとして具体的な計画が出てくるだろう。一時温泉開発がブームになったことがあり、沢山の温泉が都市部にまで生まれた。この泉源温度次第ではオーガニックランキンサイクル発電が可能になるところもあるのではないか。要はコスト次第だが、CO2を出さない発電として高く買い取る制度を適用すれば新しいベンチャーが生まれるはずだ。同社の強みは、蒸気が羽根と羽根の間から吹き出す反動力を利用する反動式蒸気タービン。蒸気を羽根に当てる衝動式に比べて不純物が衝突した時の衝撃が小さく済み、信頼性が評価されている。やはり技術力が結果を生んでいることが分かる。
地熱発電は、ベース発電設備でありながら、石炭火力とは違ってCO2を排出しない再生可能エネルギーだから、今後の開発には勢いがつくだろうと思う。