効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の風力発電設置量急落

昨年日本で設置された風力発電設備の量が急落したと報じられている。 10年度の新規導入量は前年度比13%減で、ピークだった06年度に比べ約35%減の水準。従来、風力発電所の建設費用の3分の1を国が補助していたが、10年度から新規案件への適用を停止したことが響いた。6〜7年前に太陽光発電設置量が世界でトップになったときに、これで目的を達したとして補助金をなくしたとたんに設置量が急減し、ドイツが促進策として行ったフィードインタリフ(固定価格買い取り)の効果も相まってトップの位置から転落した。これとは比較にならないが、というのは風力設置量が世界的に見ても極めて低いからだ。しかし、政策が一貫していないことをよく示している。
風力発電設備の設置への補助金打ち切りは、再生可能エネルギーによる発電へ、全量買い取りを実施することになるということで行われた。しかし、全量買い取りはまだ実現していないし、いつその方式が導入されるかもはっきりしていない。また、買い取り価格も分からない。そんな状況で先取り的に補助金を打ち切ったのはどのような意図だったのか。この急落は今年の実績にも引き継がれるだろう。成立が分からないものを前提としてはしごを外すのは極めて悪質な妨害策だと思う。そこには風力発電にはまったく期待していないという政府の姿勢が表れている。
日本は風力発電よりも太陽光発電に力を入れてきた経緯がある。しかし、他国では圧倒的に風力発電再生可能エネルギーの主力である。日本にはそれを阻止しようとする力が働いている。原発をこれから伸ばせなくなるとすれば、日本も風力の導入を促進しなくてはならない。補助策の復活だけでなく、これまで導入できなかった要因を精査する必要があるだろう。