効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水の再利用

日用品大手の米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は、工場で使った水を全量浄化して再利用し、外部への排水をゼロにする取り組みを始めると報じられている。高級化粧品「SK-2」を造る滋賀工場の新棟から始め、世界の工場に広げるとのことだが、この工場での実施が世界で最初ということだろうか。限られた水資源を有効利用してESG(環境・社会・ガバナンス)重視の流れに対応するとのこと。水の補充が要らず、水道代の抑制にもつながる。

P&Gは4月に本格稼働させた滋賀工場内の新棟で、新技術を用いた水の浄化装置を導入し、化粧品の生産に使う装置の洗浄などに使用した排水を、人が飲める基準にまできれいに浄化する。何度も循環して使うことができるという。この内容から見ると、それほど汚染度が高くなく、また、汚染物質の内容がよく分かっている汚水の処理のようだ。この技術が対応できる水汚染度、あるいは、汚染物質が何かも知りたいところだ。

いまユニセフ協会が訴えているように、世界には、汚染されていない水を入手できない生活をしている子ども達もいる。その数21億人、3人に一人がきれいな水がのめないという。ユニセフは資金を集めて井戸を掘ったり、水の消毒薬の頒布などをしている。生活の一番基本となる条件を整備する必要があるということだ。このような子ども達のために、上記のような技術を応用することが出来ないだろうか。日本の技術で作ったマラリア蚊を防ぐ殺虫効果がある薬剤を塗った蚊帳が大きな効果を上げているが、同じような発想でこの新技術を応用してほしいものだ。水の循環には電力が必要だが、最近では太陽光発電が貧しい地域でも利用できる環境が整いつつあるから、当初必要な量の水を確保することができれば、飲み水の供給を続けることができるかもしれない。これもESGの対象になるはず。