効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■原発事故後9年

 JR常磐線が14日、全線で運転を再開した。2011年の東日本大震災東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県の富岡―浪江間(20・8キロ)で不通となっていたが、9年ぶりに全線がつながったと報じられている。原発事故の後、この地域は放射線量が下がらず帰還困難となっていて、復旧作業が難航していたが、除染作業がようやく完了し、19年12月から試運転の列車を走らせていた。この区間にある夜ノ森(よのもり)(富岡町)▽大野(大熊町)▽双葉(双葉町)――の3駅や周辺の道路などでは、運転再開を前に避難指示が解除されていた。鉄道路線部分だけ除染しても人が住んでいない地域の駅を再開することもできなかったのだろう。この開通を地元の人達は一つの節目として喜んでいるようだ。他の地域にはまだ帰還困難地域が残っているのだが、事故後9年を経ても放射能汚染が続くというのには、原発事故の恐怖をあらためて感じさせられたし、こういう状況を知らなかったことを恥じている。

 除染をするということは、放射能を含む土や塵を除去することだと理解しているが、放射能を帯びた土砂や樹木自体が無くなるわけではなく、他の地域にまとめて保管するしか方法はない。居住地域の近くにも放射能ゴミとして保管されているが、ここでの放射能が、人が住めるほどに下がるには途方もない時間が必要だ。いま福島第一原子力発電所廃炉作業が行われているが、まだメルトダウンした炉心の状況を把握できていない原子炉もあるのだから、解体作業の中で、意図せずに放射能レベルの高いものが拡散しないという保証はない。確率はゼロではない。解体作業をしている人達は最新の注意を払って行動していることに間違いはないが、気が付かずにとかうっかりという間違いは起きない方が不思議だし、それが放射能事故につながる可能性もゼロだとは言いきれない。

 メルトダウンした高温の炉心を冷やした後の放射能に汚染された水の量がどんどん増えているのだが、あと2年ほどでタンクを設置する場所がなくなるために、海への放流が検討されている。放射性汚染物質は除去されているのだが、水とほぼ同じ特性を持つトリチウムだけが除去出来ない。洋上放流は、この地域の漁民が風量被害を怖れるのは当然だから、他の方法が探索されてはいるが、解決策はなさそうだ。この水を電気分解して水素を生産することで少しでも水量を減らすことはできないかなどと考えるが、無責任な発想だということだけは分かる。だが、1トンの水を電気分解するとどれほどの量の水素ができるか調べて見ることにする。