効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

横浜スマートコミュニティー

新横浜まで出かけた。横浜スマートコミュニティー設立の記者会見があったからだ。もともと福岡スマートハウス・コンソーシアムという企業・学術組織連合があり、福岡市が無償で提供した煉瓦立ての住宅に、太陽光発電、小型風力発電などを設置し、蓄電池で出力変動を平準化すると同時に、建物内の電力消費を最適制御するエネルギーシステムを実証するのに成功していた。電力供給側から見て負荷が一定になるような制御も試みて成功させ、系統に優しい需要を作る住宅のイメージを具体化した。このコンソーシアムは、公的な補助金は貰っていない。参加企業が手弁当であつまり、自社が得意とする製品や技術を持ち寄ってシステムを実証させる。公的資金を貰ったときのように目標に縛られることがないために、参加メンバーは自由に生き生きと共同作業を進め、優れた結果を速いテンポで生み出してきた。
福岡では一軒の住宅を対象にしていたが、これをある地域の建物と周辺の自然条件を織り込んだエネルギー制御をしようとする方向に横浜市が賛同して、横浜にスマートコミュニティーを生み出そうとするのが新しい共同組織。その参加企業は情報、自然エネルギー、建築、電気電子部品、制御、自動車関連など広範になっている。これから年に2回成果を報告する会合を開くということが決まっているだけで、これをするという具体的な目標や予定はない。これが福岡を引き継いだ横浜のプロジェクトの特徴だ。横浜にはNEDOの資金で同様なスマートコミュニティー実証が別に行われているが、おそらくこちらの方が地域にメリットを与える成果を生み出すだろう。そしてこの成果は、東北地方の被災地にエネルギーに関わる新しい息吹を与えるものとして移植される予感がする。
沢山のメディアが集まっての記者発表だったが、明日どのように報道されるか楽しみだ。横浜市がこのプロジェクトを支援すると決めるにあたって、目標も予定も示されていないので内部で決済をするのが難しかったそうだ。しかし、それをクリアーできたというのは、この組織を率いる人たちの熱意と福岡での実績があったからだ。経営の常識を外れた組織運営に、自分はアドバイザーとして関わるのだが、どのような立ち位置になるべきか思案しなければなるまい。