効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力消費抑制効果を売る

今朝米国から届いた情報の中に、いろいろな建物や工場設備の電力消費をピーク時に抑制するのを、発電したのと同じ効果があるとして系統管理会社に売るビジネスが米国で急増しているらしい。これは、エイモリー・ロビンスがネガワットと称したものだ。個別のネガワットを別々に売るのではなく、これをとりまとめるサービス会社があって、ここが一つの発電所からの電力を売るのと同じ手続きで売り込むようだ。東部の系統を管理する組織であるPJM-Interconnectionが、当初想定して契約した削減効果より削減量が大きくなったときにも、契約設定量までしか金を払わないという条件を設定したのが問題となり、連邦エネルギー統制局が裁定に乗り出しているそうだ。
日本にはISO(独立システムオペレーター)というような組織がないのだが、いま喉から手が出そうなほど新たな発電能力がほしい東京電力などに、いくつものビルの電力消費削減を実現させると約束し、それを商品として買うように働きかけるビジネスはやり方次第では成立するかもしれない。削減を確実にするためには、ただビルや建物の電力消費を測定するだけではなくて、各種のセンサーやリレーを電力消費機器に取り付けて、個別に稼動を管理することができなければ、商品として売ることが出来るほどの削減量を確実なものとして実現することは難しい。だが、このようなことを実現させるソフトやハードはすでに存在する。だから、電力会社が、確実に実現できる削減量を商品として買いたいと思うように仕向けるビジネスモデルをどこかの企業が創り出しさえすれば、日本でも事業として定着するのではないだろうか。3月より前の日本では絶対に実現しないものだったが、4月以降にはあり得るビジネスになっていると思う。