効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽電池設置コスト

海外情報を見ていたら、米国の国立再生可能エネルギー研究所が太陽電池設置コストの引き下げを研究するプロジェクトを立ち上げていることを知った。太陽電池セルのコストは半導体だから生産量が上がれば急速にコストは下がる。しかし、それをとりまとめてパネルにし、どこかの構造物の上に載せたり貼り付けたりするのはほとんど人間がやらなければならないので、人件費と取付時間の関数となる。もし取付に高い技術が必要であれば、作業者を養成するのにもコストがかかり、労賃も上がってしまう。この部分のコストダウンがうまく行かなければ、コストダウンカーブは横に寝てしまうことになる。太陽電池のシステムのコストに占める電池セルコストの比率が下がっているので、これまでのように急速なシステムコストのダウンは難しい時期に入っている。
ここで一つの鍵は太陽電池からの直流を交流に直して、さらに配電線に連系させるパワーコンディショナーと言われる設備のコストだろう。これの故障も結構あるようで、それもコストを上げる一つの原因になる。そこで考えられるのが、建物内の電力供給を全部直流にすることによってパワコンをなくすこという方向がある。オール直流ハウス・ビルだ。そうすると蓄電池との相性も良くなる。この場合、配電線からの交流を直流に変換する設備が必要になるが、この変換は一回で済むのでロスも少ないし、設備コストもパワコンよりかなり安くなるはず。次には架台などの標準化、安い素材で長寿命のものを見つける、などもあるだろう。だが、この辺りのコストを半分にするのは非常に難しいかもしれない。柔軟な取付が出来るものが量産できれば良いのだが、いろいろな形状に適合する架台が設計できるだろうか。人件費を削るのは、結局作業時間を短縮するのと、高技能が不必要な取付システムを開発することだ。言うは易く、かもしれない。