効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ユニセフ講演会から考えたこと

昨日ユニセフ奈良県支部が開催した講演会の後で、対象となる貧しい途上国や難民がどのようなエネルギーの選択肢があるかを考えてみた。安定した電気が供給できる電力供給網があるほうが珍しいだろう。モンゴルの遊牧民は小型の風力発電を使って電気を蓄電池に貯め、それでテレビやラジオ、冷蔵庫を使うそうだ。そうなると直流で動くものでなければならない。われわれの世界ではキャンピングといったレジャー用に使うものが最適となるだろう。
一箇所に定住している人たちに適しているのは、太陽電池の方が適している。風力発電のように回転するものがなくて故障も殆どないからだ。特に太陽光線が豊富にある東南アジア、アフリカ、南米などには最適だろう。ここでも交流の電力供給が常時あるほうが少ないはずだ。太陽光発電で発電されるのは直流だから、それを交流に直す機器のコストが馬鹿にならない。だから一定電圧の直流で充電する蓄電池を準備して、日が暮れてからも使えるようにしないと実用的ではない。蓄電池は自動車用のもので十分だ。長期に使っていると劣化するが、容量を多めにすれば1〜2年は大丈夫だろう。使える電気機器には当然容量制限がかかることは理解してもらわなくてはならない。
実際にあった話だが、まだ価格が高い太陽電池を設置した貧しい地域でコスト計算すると、そこへ供給されている燃料用や灯用に使われている灯油の値段が非常に高いので、かえって太陽光発電設備を設置したほうが安くつくことが分かったそうだ。
昨日の写真に出ているマラリヤ蚊に刺されないための蚊帳は住友化学の技術でできたもので、その技術を無償で供与しているために、現地では一枚800円で作ることができるという。日本からの大きな貢献だ。しかし、その800円は現地の人には高価すぎる。日本をはじめとする先進国の人から見ればコーヒー一杯に過ぎないが、その額をユニセフに募金すれば沢山の子供がマラリヤにかからないで済むのだ。
太陽電池についても同じことが言えるだろう。価格的には何桁も違うが、そのつもりで資金を用意して電気のこないところに太陽電池を設置してあげれば、医療、教育に大きな貢献をするだろう。日本では災害地用に太陽電池と風力、蓄電池を組み合わせた発電設備が開発されつつある。このような技術の一部を安く使えるようにするのに日本の募金が貢献できれば良いなと思う。日本ユニセフ協会の会員になるのも一つの方法。個人会費年5千円。団体会員は年10万円。これが日本ユニセフ協会の活動費になる。この額を高いと見るか安いと見るか。