効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奈良の社会実験

奈良市や企業などでつくる奈良市地球温暖化対策地域協議会が面白い試みを始めた。7月から市民などのグループを対象にしてCO2削減量1キログラムあたり3円で買い取る社会実験を実施する。個人対象の買い取り制度は他でもあるが、グループ対象は全国初だそうだ。原則として奈良市在住または在勤者のいる5〜10世帯を1グループとして、7月から来年6月までの1年間、電気と都市ガスの使用量を前年と比較して、削減できた分をCO2削減量に換算して協議会が買い取る。奈良市の年間温室効果ガス排出量は平成20年度で9.1トン。協議会は参加グループを6月20日まで募集している。買い取ったものは排出権として企業が利用するのだろうか。
グループでというのは面白いが、グループメンバーの間でばらつきが出ると非難し合う状況も生まれるかもしれない。何かの理由で一人だけ前年より多くエネルギーを消費したために、グループの実績が大きく落ち込んでもらえるお金がなくなったなどということは起きないかしら。日頃は仲良しでも、お金が絡むとややこしくなることはよくあることだから。そのあたりは協議会でも考えてはいるだろうが、少し危なさを感じる。環境意識の高い人がグループを作るのだろうが、そのような人たちは日頃からエネルギー消費削減に努力している。CO2削減実績を出すのはなかなか大変だろう。
もう一つ、細かい話になるが、削減量換算の基準となる電力からのCO2排出量は何を基準にするのだろうか。原発からの電力も含めたものにするのか、化石燃料ベースにするのかによって数値が異なるからだ。これもお金に関わるだけに微妙なものとなる。自分でグループを作るつもりはないが、もし参加を呼びかけられたらどうしようか。余計な心配かもしれないが。