効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

NHKの間違い

今朝NHKテレビの「週刊ニュース深読み」番組を見ていた。テーマは原発は必要か、なくせるか、といったもので、友人の飯田哲也氏が自然エネルギーの拡大で対処できるという説得力のある話をしていた。その時に、NHKが準備した設備別の発電コストを表にして出したのだが、太陽光発電の発電コストとして49円/キロワット時を示し、他の火力や原発、水力などと同じレベルで比較していた。そうすると太陽がだん突に高いということになる。しかし、この示し方は間違いだ。太陽光発電は住宅など建物の屋根に設置されるのだから、他の集中型のものとは異なって送配電線を必要としない。だから、本来家庭用なり業務用に適用される電気料金と対比させるべきものだ。とすると、家庭用であれば24円/キロワット時との比較になる。まだ高いには高いが、太陽電池パネルの価格はまだどんどん下がっているから、電気料金と差はなくなっていく。遠からずグリッドパリティーになるといわれるのも当然だろう。NHKはなぜこのようなミスリードとなる表を出したのだろうか。また、飯田氏はどうしてそれを指摘しなかったのだろうか。
風力発電の場合には、どうしても送電系統に接続しなければ電気を流すことはできないので、火力発電とまともに対抗しなければならない。しかも出力が変動するので、それが系統に悪影響を与えないように、変動と逆の動きになるように火力発電の稼動を制御する必要があるから、そのコストも算入しなければならないだろう。これからこの議論がまともに行われなければならない。これまで日本の電力会社はともすれば蓄電池を付属させて変動を吸収するように主張してきた。だが、欧米や中国でそのような主張は全く見られない。変動は電力事業の発電所や系統の制御で吸収するようにしている。日本も本格的な議論をしなければ、自然エネルギー導入の拡大はできないだろう。