効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

メルトダウン

密かに心配していたことが現実になった。福島原発第一の1号機に装填されている核燃料棒が溶融して炉の下に流れて固まっていると報じられている。水の温度が100度を超えるくらいでそれほど高くはないから、一応の冷却は行われているということだろう。しかし、固まりになっているのだから、体積に対する表面積の比率が小さいので、これを効率よく冷却するのは核燃料棒の形を保っているときよりも難しくなる。
残念なことは、これまで水位を正しく示していると思われていた水位計が誤作動していたということだ。これ以外の計器類についても常に疑いをもっていなければならないということだ。問題は測定用のセンサー類が設置されているのは炉心や循環ポンプ回路といったきわめて放射線濃度や温度が高いところだ。人間が簡単に近づけない場所にあるため、その測定精度を確認すること自体が難しい。
比較的損傷が少ないと見られていた1号機について水漏れをしている部分があるとも報じられている。地震の震動で配管の接続部分や、センサーを挿入してある部分に損傷がある可能性は高い。もともと今回のような大きな地震に対応できる設計になっていないのだから、壊れてもしかたがない。特にセンサー累が取り付けられているところは弱いのかもしれない。高速増殖炉が液体ナトリウムの漏洩したのもセンサーの取付部分だった。配管そのものが破壊していなくても、センサーを入れる配管がこわれれば、水漏れは続くことになる。これから水を使った冷却装置が新たに設置されるそうだが、水漏れの場所を特定できなければ、放射能汚染された水の外部流出を止めることはできない。厄介なことになったものだ。
前にも書いたが、技能を持った現場作業員が受ける放射線の累積量が増えざるを得ないのだから、長期にわたる現場作業資格者の確保がさらなる問題となることは間違いない。