効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

福島第一原発は津波で駄目になったのではなかった

以前、福島第一原発の原子炉周りの配管は地震で壊れなかったのだろうかと書いたことがある。どうもその思考方法は間違っていなかったようだ。最近次々と出てくる情報によると、津波が来る前に原子炉はメルトダウンどころか、メルトスルーしていたようだ。その原因は津波が非常用電源を襲ったことによる全電源喪失にあるのではなく、配管や構造物の壁面に損傷があったからだということが明らかになっている。素人の考えの方があたっていたのだ。しかし、専門家も当然それを考えていたはずだが、それを前提にした対応がなされていなかったようだ。おそらく配管の損傷を公に口にすることが出来なかったのだろう。安全設計は徹底しているはずということだ。しかし、その安全基準を超えた地震が起きたのだから、どこかで亀裂が入ったり信号線が切れたり、測定器が壊れたり、モーター・ポンプが損傷して作動を止めたりすることが一つも起きないと考えていたのだろうか。
新聞などで示されている原子炉の構造図は、あくまで主要部分だけのもの。その間をつなぐ無数の配管があるし、それには高い圧力がかかっているものもある。センサーが装着されている配管や構造壁面があれば、そこで地震によって起きる挙動は、シミュレーションなどで予め想定できるものではないはず。
こうなると、福島第二原発も徹底したチェックが必要だ。津波による被害がなかったから重要部分には損傷がなかったかのような表現も見かけるが、目視検査だけでは認識できない亀裂や緩みが必ずあると考える方が妥当だと思う。今年の夏には間に合わないまでも、来年の夏までには第二の運用を開始したいと考えているかもしれないが、それを目標にして作業すれば、必ず安全に関する重要な部分を見逃す可能性がある。やはり原発は人間の能力を超えた恐ろしい構造物だ。