効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

福島原発、浄化水の循環冷却開始

福島原発で高度に放射能汚染がある海水を浄化して、低放射能の炭水にして、原子炉の冷却に使うのが今日始まったようだ。フランスと米国の浄化装置が順調に動かなかったために遅れてしまったのだが、これが日本のプラントメーカーのものだったらもっと早くといいたいところだが、それは身びいきすぎる。両国の浄化装置が順調に稼働できなかったのは無理からぬところがある。普通ならまだ試運転段階であるはずのものを一挙に実運転に持って行ったのだし、日本側の運転未熟もあったはず。ただ、トラブルの原因の解析には、日本側の対応力は大きく発揮されたのだと思う。大体外国から導入されたプラントは最初からうまく動く筈がないと思っていただけに、今日開始できたのは見事だといいたい。
ただ、浄化水を使うといっても、正規の冷却回路を使用するわけではないから、新たな海水を使わないで済むようになったにすぎない。順調に稼動すれば、汚染水が海に漏れ出ることを阻止できるようになったというだけだ。危ういところで切り抜けたのだが、まだ危機が去ったわけではない。浄化プラントはまだまだトラブルだろうと心配だ。ただ原子炉の底が抜けているようだから、本当に安定した冷温停止に至までにはかなりの時間がかかると考える方が妥当だと思う。一方で大量に溜まっている放射能汚染水をさらに浄化して汚染水の量を減らす必要もある。ただ、浄化した水を海に流せるほどのレベルにまで放射能を減らすことができるだろうか。まだ解決は緒に就いたばかり。
ここまで今日出張した東京からの帰りの新幹線内で書いてあった。帰宅してネットで調べたら、ホースが水漏れして循環冷却が1時間半で停止したと分かった。これはすぐ修正できるだろうから、明日には再開されるだろう。汚染水浄化がどれほど長期に安定した稼働をしてくれるかだ。