効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本企業が海外のスマートグリッド事業に参画

日本の電力事業がスマートグリッドの導入に冷淡であったために、日本の電気・電子機器メーカーは海外に事業を見つけようと努力している。これまでは政府が媒介した海外の実証事業に参画する形であったが、独自にビジネスを成立させる事例が出てきた。
NECが発表したのは、イタリアのENELが配電系統制御のために使う蓄電池を提供するというものだ。リチウムイオン電池だということだから、巨大なものではないだろう。多分変電所単位に取り付けて、電圧変動を抑えようとするものだろう。イタリアは太陽光発電の導入に積極的になっているから、天候で変動する出力をいったん蓄電池にためようとしているのかもしれない。イタリアはほとんどすべての電力需要家3千万戸にスマートメーターが取り付けられていて、欧州では取り付け率で先頭を走っている。
もう一つは、日立が英国に進出するというものだ。英国の南西イングランドで行われるスマートグリッドの実証試験に3年間参画するというもの。風力など変動するエネルギーによる発電が出力変動するのを抑制する電圧レギュレーターを供給する。当初一基、この夏から開始されるテストに提供し、さらに3基を供給することになっている。日立にとって英国市場に電圧制御器を入れるのは初めてだそうだ。多分無効電力を系統に注入することによって電圧を一定に維持するものだろう。蓄電池を使うものでないところが興味をひく。
このような形で日本企業が進出するのは、現下の為替レートを考えると、技術力が認められたからだといえる。実績を出してさらなる進出を果たしてほしいものだ。