効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツの風力発電受け入れ

自動車ジャーナリストの川端由美氏が日経BPのネットで次のように書いている。
日本と同様、送電網の発達したドイツではスマートグリッドについてどう考えているのだろうか。日本と同じように資源の乏しい国であり、国土面積も近く、また化石燃料への依存も類似している。ドイツ連邦政府は、経済対策の一貫としてスマートグリッド構築に向けた実証試験に650万ユーロ(約7億3千万円)を拠出した。具体的には、住宅や小規模な再生可能エネルギー供給者から電力を購入し、電力の種類や価格を管理するメーターを介して家庭やEVなどに配分する。再生可能エネルギーの管理は認証によって行なう。
ヨーロッパ諸国はEVをいろいろな目的に使おうとしている。EVが搭載している蓄電池を、駆動用以外に、風力発電からの電力を蓄電したり、風力発電からの出力が下がったときに蓄電池から補充するように電力系統に電気を流せるようにするのだ。北方の洋上に風力発電が増えるため、北から南へと全長800kmにわたる風力発電による再生可能エネルギーの供給網を構築するプロジェクトに10年間で30億ユーロ(3千4百億円)が投資される。EVの蓄電目的の利用には、2008年から車両や充電インフラを含めた大規模な実証試験が開始された。2010年までにベルリンをはじめとする大都市に500カ所の充電ステーションを設け、ダイムラーが100台のEVを提供するという。ドイツ連邦政府は2020年までに100万台のEVが普及すると予測して、景気刺激策を兼ねてEV普及の支援に5億ユーロを支出する。ところがドイツの大手電力会社RWEダイムラーは240万台、シーメンスは400万台と強気の予測をしているとのことだ。
ただ、EVを風力発電の出力変動と対応させるためには、EVと風力発電を流す送電網との間にこれまでにない通信網が設置されなくてはならない。ところが、この通信方式やデータの構成について標準化ができたという情報はまだ見たことがない。目標は大きい方が良いとはいえ、ドイツのEV利用がどのようなテンポで行われるか注目したい。
 RWEによれば、「スマートグリッドと現在の電力網の最大の違いは流動性だ」と言う。今後、風力をはじめとする再生可能エネルギーの供給量は増えるが、エネルギー源は分散していく。ドイツにおけるスマートグリッドとは、再生可能エネルギーを効率よくユーザーに届けるために必要なエネルギー供給網であり、柔軟で品質が高い電力供給網を低コストで運営する目的で構築される。