効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

仙台市ガス局ほぼ復旧

東日本大震災で、ガスの製造工場を津波で破壊された仙台市ガス局の復旧が予定より2週間早く完了した。ここの顧客数は約35万戸。幸いしたのはここまで新潟から天然ガス輸送パイプラインが接続されていたために、工場からガスが送れなくなっても何とか新潟の国産天然ガスで供給力を確保できたということだ。あれだけの地震だからパイプは至る所で折れていたはず。だが圧力の高い幹線があまりダメージを受けなかったようで、これもよかった。だが、ガスは安全確保のために、供給開始前には一軒一軒全部の家を訪問して、ガスが安全に点火し、漏れがないことを確認する作業が不可欠。この作業に全国各地の都市ガス事業者から応援が派遣された。東京ガス地震で被害を受けた地域があるために、もっとも多数の作業応援を出したのは大阪ガスだと聞いた。大阪ガス阪神淡路大震災の時に復旧作業の経験があるし、その時に応援を各地からもらったことから、その恩返しのためにも多数を派遣したのだろう。
心配なのはこれからも続く余震だ。仙台に住む知人が、電気とガスの両方が復旧したと喜んでいたのだが、この間の大きな余震でガスがまた止まったそうだから、油断はできない。いまガスを使ってエンジンやタービンで発電しようとする動きが活発化している。これも地震でガスの供給が止まる可能性があることは考えておかなくてはならない。どうしても止まっては困る設備に対する発電機であれば、LPGなどでも発電できるようにしなければなるまい。病院や緊急時に使う公共施設については、非常用発電機を常用として使う方向にするべきだ。逆に言えば、常用自家発をベースに使って、停電したら系統から瞬時に切り離して自立運転で必要度の高い負荷に電力を供給するのだ。いままで、系統が長時間止まることは想定外だったが、これからは止まることもあることを前提にしたエネルギー利用システムを準備する必要がある。