効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

台湾で大停電

15日午後に台北で大規模停電があり、台湾電力によると、停電のため、約668万戸(全体の約78%)が電力使用制限を受けていた。16日には停電は収まったようだが、これほど多数が停電するというのは珍しいだろう。その原因は、15日午後4時51分に桃園市の火力発電所、大潭発電所(総出力約400万キロワット)全6基の運転停止が原因。燃料となる天然ガスの供給が、石油大手・台湾中油側の操作ミスにより、約2分間にわたって中断され緊急停止となった。台湾電力の広報担当者は、今回の停電は1999年の大地震以来の規模だったと述べたという。燃料の供給が止まるとしても、全6基のうち一基であれば、他の発電設備からの迅速な応援と緊急制御で何とかカバーできただろうが、400万キロワット全部が一度に脱落すれば、系統全体の制御が出来なくなってしまうことは確かだ。台湾全体の発電設備容量は4,886万kW(2014年のデータ)だから、その一割弱に相当する。おそらく大きな損失につながる事態になった事業もあるだろう。台湾電力も台湾中油も国営事業。今回の大停電を受け、国営事業を所管する経済部の李世光部長(大臣)は、林全行政院長(首相)に辞任を表明し、受理されたということだ。
これは日本で良くいわれる、エネルギーの自給率向上と安定供給のために原発が必要だというのとは全く違った次元の問題だ。太陽光発電の出力の予想が難しいので停電の可能性があるという話ともまったく異なる問題だ。太陽光発電の出力変動抑制技術は蓄電を中心に開発され、コストも急速に下がっている。