効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

蓄電池が大流行

パナソニック東芝その他、リチウムイオン電池のメーカーが、開発予定を繰り上げて家庭でも使えるバックアップ用の蓄電池システムを商品化して売り出した。家電製品店でも販売を開始したと報じられている。日本でもっとも人口密度が高い東京で、この夏に向けて心配される停電への備えに、安いものではないが保険として購入を決める人が多くなるだろう。停電していない、そして全体の需要が低くなっているときに充電しておけば、停電したときにも、空調機は無理としても、照明や冷蔵庫などを使用することはできる。安心料としての数十万円。今回のような電力の逼迫がなければこのような市場は生まれなかったのは確かだ。この需要は関東、東北だけでなく、日本全体に生まれると思う。電気が途絶するときのリスクを誰もが具体的なものとして考えるようになったからだ。
燃料電池や家庭用・業務用ガスエンジン発電機は、停電時には一緒に止まってしまうので、使えない。しかし、仕様を変更して自立運転ができる、あるいは蓄電池でエンジンをスタートできる(ブラックスタート)ように制御方式を変更した商品が遠からず登場するだろう。これまで系統からの電力が長期に止まるということを考えなくても良かった日本では、自立運転の必要はなかった。だがこれからは東京地区を中心に、自立運転だけでなく系統に電気を逆流させる制御も必要となる。ただ、停電しているときに電気が配電線に逆流すると大きな事故につながりかねないので、その安全基準をきっちり詰める必要はあるだろう。これができれば分散型電源が電力会社の発電能力を補うようになる。これは、日本もスマートグリッド時代に入ることを意味するのだと思う。現時点では発電容量が十分にある西日本にも同じ考えが応用されなければ、基本的な電力安定供給確保の基盤は整わないという社会的合意も必要となる。