効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

計画停電

今日20日は日曜日。明日も祝日だからオフィスや工場などで業務をしていないところが多い。だからだろう、計画停電は実施されていない。しかし、東電の供給能力が逼迫していることには変わりがない。いま停電で停止している火力発電所を早急に運用可能にするとともに、閉鎖の方向で休眠していた老朽石油火力を再度立ち上げることも計画していると報じられている。動かせるものは全て動員せざるを得ない状況にある。それでも空調の需要が大きくない春でも、地震で停まっていた工場などが震災後の需要に対応して動き始めると意外に需要が増大する可能性がある。計画停電は断続的に行わざるを得ないだろう。
大規模停電ではないが、計画停電によって日頃使えて当然であった電気の存在価値を再認識すると同時に、長期化する計画停電に備えて非常用発電機を備えようとする人や事業所が増えるだろう。また、最近開発が進められている蓄電池を電気が来ているときに充電し、停電時に照明や調理などに使えるようにした商品も登場するに違いない。太陽電池と組み合わせることも十分考えられる。
停電すると、オール電化ハウスは全ての機能が停止するから、調理ができないし、給湯暖房も働かない。ただし、ガスを利用している家庭でも、新しいガス機器はいろいろな制御が電気で行われているものも多い。ガスによる給湯暖房も停まってしまう。自宅で使っているような、何の制御もないテーブルコンロは停電時でも全く問題なく使えるが、制御に電気が必要なガス炊飯器は停電すると使えない。床暖房もポンプで温水を回すから使えない。こうなると、停電すれば配電線から切り離して蓄電池から電気を供給するシステムの商品化が求められる。自宅で動いている燃料電池でも、停電すれば停止せざるを得ない機構になっているが、これが独立して稼働できるならば、その発電能力内であれば停電も問題にならなくなる。地震の場合ガスも止まる可能性があるから万全とは行かないが、もしある程度の容量を持つ蓄電池が使えれば補いになるし、それの充電を太陽光発電やマイクロ風力などで行えれば、補完力は大きくなる。蓄電池は高価だとはいえ、鉛蓄電池の性能も良くなっていて、リチウムイオン電池よりはるかに安価だから、これを利用して独立した電力供給ができるものが商品として登場してもおかしくない。非常用としての位置づけではなく、常用としての利用を想定すると、これまでなら電力会社は売り上げ減に繋がるからいい顔をしなかったが、少なくとも東電にとってはこの商品化が早ければ歓迎するだろう。系統から独立して運転できる分散型電源が日本でも現実のものとなって家庭や業務用に使われるだろうと確信する。