効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

太陽光発電の発電コスト

 Southern California Edison(SCE)社が最近カリフォルニア公益事業委員会に求めた20件の太陽光発電プロジェクトの認可内容によると、太陽光発電からの電力コストは、天然ガスの50万キロワット・コンバインドサイクル発電より安くなるとしている。天然ガス価格は供給量増大と需要低迷で大きく下がりつつあるが、太陽プロジェクトのコストもそれと同じ程度に下がりつつある。そこでの違いは太陽光発電への需要が、州の要請のために高いということだ。電力事業は電気料金引き下げのために太陽を使っているといわれる。
 SCEは太陽集光熱発電(CSP)と比較しても、太陽光発電のコストは低いとする。製造コストがどんどん下がっているからだ。GTMリサーチの資料では、CSPの発電コストが0.10ドル〜0.12ドル/kWhであるのに対し、太陽光発電の発電コストは0.07ドル〜0.08ドル/kWhだとしている。
 この数字がどこまで広く適用できるものかどうか分からないが、最近太陽電池セルの製造コストが大きく下がる傾向にあることは確かだ。たとえば次のような報道もある。九州大学などの産学チームは、シートのように軽い新型太陽電池の性能を高められる基盤技術を開発した。有機薄膜太陽電池向けの技術で、薄膜の表面構造を工夫した。光を電気に変える効率が高まり、シリコン太陽電池並みの性能の実現にメドをつけた。有機薄膜太陽電池は住宅の壁や携帯機器への応用が期待されており、実用化に向けて大きく前進した。2015年を目標に商品化を目指す。また、シリコン系でもアモルファスシリコンを塗布するような技術でコストダウンを実現しようとしている研究もある。
 石油価格がもし高止まりするとすれば、太陽光発電は発電を始めると化石燃料のコスト変動の影響を受けないから、もし石油火力からの電力に送配電コストを加えたコストと同じくらいに発電コストが下がれば、それこそグリッドパリティーとなって、誰でも利用できるものとなる。いつまでも太陽光発電の発電コストは高いと思っていると大きな間違いになるかもしれない。