効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

アブダビに1万キロワット太陽光発電

中東のアブダビは、持続可能なエネルギー社会を生み出すプロジェクトを開始していて、アブダビ未来エネルギー社を設立した。これはマスダー(Masdar)と命名されている。ここが公式に発表したところによると、このほど1万キロワットの太陽光発電を完成させ、送配電系統に接続したということだ。これは中東で最大規模のものとなる。87,777の発電パネルから構成されていて、その半分は薄膜型、残りの半分がシリコン結晶型のものである。毎年1,750万kWhの電力を発電すると予想されている。雨の降らない地域だから発電量も日本などの比べると段違いに大きいのかもしれない。建設コストは5千万ドル。出力から計算すると世界でもっともコスト効果のある設備だという。
もしアブダビに風がよく吹くのであれば、風力発電の方が建設コストが安くなるはずだが、多分風には恵まれていないのだろう。中東諸国は唯一の輸出商品である石油の採掘量を抑制するために自然エネルギーを導入する方向に向かっている。太陽電池パネルを設置する土地も豊富だから、これからどんどんこのようなプロジェクトが走り出すに違いない。その時に日本の太陽電池が採用されるかどうか、今後の動向を見守っておかなければなるまい。石油資源を確保するために、日本政府が有利な条件を出して日本メーカーをバックアップすることも長い目で見れば必要となるに違いない。この市場での競争相手はおそらく中国になると思う。その時には中国政府も石油輸入を確保するために日本政府の競争相手として登場するに違いない。
もう一つの関心事は、1万キロワットが系統に結ばれるようになって、大きな送配電網を持っていないはずのアブダビで、太陽光発電の出力変動は問題にならないのだろうか。あるいは特別の変動対策をとったのだろうか。このあたりを調べておく必要があるだろう。雲がかからないから問題ないのかしら。