効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

外部電源の要らないセンサー

温度や電流、振動、圧力など、さまざまな変化を測定するのにセンサーがもっとも基本となるものだ。これが作動するにはどうしても大小は別にして電力を供給してやらなければならない。電池から供給するとか、測定するときにだけ電気を流すなどの工夫をするが、電力の供給が必ず必要で、電力消費量をできるだけ小さくすることが求められる。この間ZigBeeについて書いたときにコメントをいただいたのも、この分野に関するものだった。また、電力消費量が小さくても、測定する箇所が多くなると、全体の電力消費量が馬鹿にならないこともある。
この問題を解決できるかもしれない技術をNECが開発した。外部から電力の供給を受けずに、電子機器の消費電力を手軽に図れる小型センサーを開発したのだ。報道によると、電子機器の配線などの周囲に生じる磁場の力だけで作動するので、電源を気にせずに設置できるという。多数の電子機器の消費電力を把握して、全体としての消費が最小になるよう制御するシステムの構築に役立つとしている。電池を取り付けたり、コンセントから電力の供給を受ける必要がない。ただ、磁界が発生するところでないと発電しないから、電子機器の配線近くに埋め込むか、電源コンセントの差し込み口付近に設置しなければならない。周囲の磁場を変換して取り出せる1ミリワット程度の微少電力で動くとはいえ、磁場がなければならないから、その強さも影響するだろう。
いまHEMS(ホームエネルギー・マネジメント)がスマートハウスの開発の核になっている。ここへの応用としては理想的かもしれない。磁場は電気の流れる強さで力が変わるから、取り付け場所に制約があるだろうが、HEMSでは建物内の電気機器全ての稼動状態を測定するし、これに電気自動車などが加わると、センサーの数は膨大になる可能性もある。それに対する電力供給を考慮しなくても良くなるというのは素晴らしいことだ。市場は世界的な規模になるはず。迅速な商品化が望まれる。