効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

JX日鉱日石エネルギーが家庭用固体酸化物電解質燃料電池発売

今朝日経新聞を開いて驚いた。「JX日鉱日石エネルギーは10月をめどに、現行タイプより3割程度安い高効率の家庭用燃料電池を発売する。発電効率を現行品より高める一方、部品点数の削減などで大きさは半分にし、販売価格を270万〜280万円に設定。2015年度に燃料電池全体で4万台の販売を目指す。」という記事が目に飛び込んできたからだ。ここでいう高効率の家庭用燃料電池とは、自宅の裏でいま稼動している700ワットの固体酸化物燃料電池SOFC)と同じ種類のものだ。自宅のはまだNEDOの実証試験中だというのに、JXはこの10月から商品として販売を開始するという。SOFCの開発に関係する人に聞いていたのは、まだセル本体の耐久性が10年にまでなっていないし、製造コストがまだ高いから、今年の発売はないだろうということだった。JXグループSOFCを将来の燃料電池だと位置づけていたことは知っていたが、ここまで商品化できるまでの開発を進めていたとは思っていなかった。これまでのNEDOの実証試験にも、JXが出していた数はトヨタ、アイシン、大阪ガス、京セラのグループが出した数よりはるかに少なかった。密かに開発を進めていたのだ。しかも販売価格を、東京ガスパナソニックが出した固体高分子電解質型の家庭用燃料電池とほぼ同じに設定したというから、JXは将来を見てかなり販売補助をするのではないかとも考えられる。
JXグループは石油関連事業の将来性に見切りをつけているとよくいわれる。それに代わる事業分野が分散型発電の分野だと聞いたことがある。まさにそれを裏付ける記事だ。この情報は、JX日鉱日石エネルギーがプレス発表したものではなさそうだから、日経新聞のスクープかもしれない。この家庭用SOFCを10月に発売を始めて、2012年の3月末までに1000台を販売するというから強気だ。LPG事業者のチャネルを利用した強力は販売体制を作るのだろう。新しい燃料電池時代の幕開けになったのかもしれない。