効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭での電力消費の自動制御

中部電力は27日、デンソーと共同で、家庭向け電力調整システムを開発したと発表したとのこと。よくHEMSと言われているものだが、日本ではなかなか実用化は進んでいないように見えたが、家庭の電気機器で制御に対応できるものが普及していないせいかもしれない。今回発表されたものは、電力供給が逼迫したときに中部電から電力調整の依頼を、デンソーの制御システムに送信すると、その情報がデンソー製のHEMSや省エネ型電気給湯器「エコキュート」、全館空調システムに伝わり、家庭の利便性に影響しない形で使用量を自動調整(デマンド・レスポンス)するというものだ。エコキュートの普及も課題だが、それ以上に難しいのは全館空調システムの普及だろう。個別の部屋の空調が普通になっている日本の家庭では、非常に高い断熱性を持つ家でも部屋ごとの温度管理をするのが一般的になっている。この状況に合わせた制御をしようとすると、制御対象の数が大きくなって、データのやりとりをする端末の制御が複雑になるのは確実。2018年1月から愛知県豊田市など6市で一般家庭40軒を対象に実証実験を進めるということだが、この制御に適した住宅が実際にあるのだろうか。このシステムに関連し、電力需要の調整に合わせて湯沸かし時間を変更する制御機能を付けた新型エコキュートを、28日からデンソーが販売することも明らかにしたということは、既存のエコキュートではうまく制御できないということを意味するのだろう。とは言え、HEMSを普及させることで系統の安定性が確保できるようになるはずだから、電力会社としては日本式制御方式の開発を進めなければなるまい。