効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

家庭用SOFC燃料電池

今日今学期始めて客員をしている関学(三田キャンパス)へ出かけた。大病をしたものを再度受け入れて貰ったことを有り難く思っている。久しぶりにアカデミックな雰囲気にひたることができた。
朝早く家を出たために新聞を読めなかったので、帰宅して日経新聞を読んで驚愕した。石油会社大手のJXエネルギー社が欧州を中心にした海外に、同社がシステムとして販売している家庭用固体酸化物燃料電池を販売する、しかもいま270万円しているものを50万円で販売するという。その準備実証試験としてヨーロッパの企業と組むそうだ。実販売にはまだ時間が必要だとしても、途中で止めましたというわけには行かないことだから、余程の覚悟で発表したのだろう。日本では高効率型のエネファームとして販売されているが、これについてもJXが日本では昨年10月と販売開始が一番早かった。おそらく固体電解質型のエネファームには将来性がないと見切ったのではないかとまで思う。ドイツや英国など欧州の国では燃料電池からの電気を高く買い取るように電力会社は義務づけられている。だからこそ本体価格を安くすれば量販ができてコストダウンも早いと判断したに違いない。まさに快挙だと言える。JXのSOFCのセル本体は京セラが作っている。他に家庭用SOFCを販売し始めたのは大阪ガス。これも京セラ、トヨタ自動車、アイシンの連合。奇妙なことに東京ガスはまだ販売を始めていない。
同じ日経に小さな記事だが、住友精密がSOFCの開発について三浦工業と共同開発するということも報じられている。住友精密はセル本体を開発しているが、京セラ方式とは異なるシステムだ。13年度から東京ガスなどと実証試験をするとのこと。商品開発競争が始まっているが、海外展開に着手したのはJXエネルギーが最初。今後の展開を見守りたい。