奈良に住み始めてから40年以上になるが、こんなに雪が積もったのを見たのは初めてに近い。裏日本や北日本のように、屋根が雪の重みに耐えられなくなるような事態ではないものの、奈良県の南側にある山岳地帯の村落では、雪下ろしが必要になっているかもしれない。自動車の運転についても、このような積雪は想定外だから、スノータイヤなど論外だし、タイヤチェーンを常時準備してもいない。同居しているミュージシャンである三男が、一昨日にあった演奏会から夜遅く、というより早朝、に車で帰ってくることになっていたから、朝外に出て車が無傷であったのでほっとしたような次第。
観光客にとっては良い思い出になっただろう。一面真っ白になった奈良公園。鹿も雪を避けて樹の下に座り込んでいたようだ。カメラマンも多く撮影行脚をしたはず。奈良県の南の方の小学校が、冬の間の雪や氷を氷室に保存して、夏に取り出して奉納するという伝統行事を復活している。氷室を建てるところから始めたため断熱が不十分で、最初扉を開けたら何も残っていなかったそうだ。それが最近は氷を奉納できるまでになっている。今年の気候条件からすれば、沢山の雪氷が奉納できるのではないだろうか。
北国では雪を大量に保存して置いて、夏の冷房の補助に使う方式が政府の補助もあって、実用化されている。これが有効であるためには必ず雪が十分に降って貰わないといけない。降雪が多すぎても少なすぎても困るのだ。しかし、自然は人間の都合に合わせてくれるわけではない。人間が自然に合わせなければならないということをもっと認識する必要があるだろう。