効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ダボス会議

26日からスイスのダボスで世界経済会議が開催される。トーマス・マン魔の山」の舞台で昔は知られていたが、いまではダボス会議の本拠地として知られている。毎年1月から2月にかけて開催され、世界から各界のトップクラスの人たちが集まるためにその年の政治、経済、社会の動向を占う絶好の場所となっている。この間、菅首相がこれに参加するらしいと書いた。国会会期中になるので、本当に参加することができるだろうか。
今年のテーマは「新しい現実に向けた規範の共有」。新しい現実とは新興国が登場し、世界の牽引車の役割を果たし、これまでの先進国が牛耳っていた政治・経済の決定権を奪い取っていることを指しているようだ。規範とは、現在いろいろなリスクが表面化している中で、リスクが機器に発展することを未然に防ぐために予め作って共有する規範だという。前にも述べたが、ダボス会議に日本の政治家が参加することは滅多になかった。国会とのからみだ。自分がボスのお供をして参加した頃には、細川首相が出ていたことを思い出すくらい。最近では福田首相が参加したが、舞台上で一般論を述べたのに対し、貴方自身はどう考えるのかと質問されて立ち往生したこともあった。菅首相の演説を聞いていると、抽象的表現が多いように思う。日本ではそれで通用するが、ダボスでは必ず具体的にはどういう手法をとるかなどと質問が出るから、それを利用して日本の立場を具体的に印象づけてほしいものだ。日本には環境や技術分野で貢献することが期待されているようだが、日本へ帰ってからの批判を怖れず、分かりやすい発言をしてきてほしいと思う。もし不参加となると、日本の存在はますます薄れることになるだろう。日本から参加する経済人も、聞いているばかりで発言しないからだ。例外は故人だがソニーの盛田さんだった。共同議長を務められたのだが、決してお上手とは言えない英語で、極めて説得力のある発言をしておられた。このような経済人がいまおられるだろうか。日本はこれから戦略的に発言の場を確保しなければならない。ダボス会議の展開がどうなるかを注目したい。