効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

甲子園の太陽光発電

だいぶ前に甲子園に太陽光発電設備が新しく建設される屋根に取り付けられると書いた。その時にはどのメーカーか分からなかったのだが、ホンダグループで太陽電池の生産・国内販売を手がけるホンダソルテックだということが分かった。同社の太陽電池が年間計画発電量を前倒しで達成したそうだ。昨年3月1日に稼動を開始し、予定より52日早い1月7日に計画発電量19万3千キロワット時に到達したという。晴天の日が多かったのかもしれないが、ご同慶の至りだ。甲子園球場内野席の屋根に設置されているのは200キロワットの設備。電池はホンダソルテック社が独自開発したCIGS薄膜タイプ。シリコンを素材としていないので、製造過程での消費エネルギーが少ない。太陽エネルギーの変換効率がシリコン系に比べて低いものの、部分的に影に覆われても発電量が低下しにくい特徴があるという。 発電された電気は球場内の通路照明や空調などに使用されている。これまでに発電した19万3千キロワット時は球場の年間使用電力量の約4%で、1年間に行うナイトゲームの照明の電力量に相当するという。また、これによる二酸化炭素(CO2)削減効果は約133トンになるとしている。
太陽電池はその素材によって何種類もある。変換効率、寿命、価格の組み合わせの中で激烈な開発競争が世界で繰り広げられている。いまの所は発電コストが高くて支援策がなければ設置が拡大しないのだが、もう5年ほどすると商用電力と張り合えるくらいに発電コストが下がるという人もいる。個々のセルを制御して最大効率を出させたり、障害が発生しないようにしたりする技術も日進月歩。発電するのは直流だが、今は全部交流に直して系統に接続している。しかし、蓄電池との組み合わせをするスマートハウスとか直流ハウスが普及するようになると、寿命に大きく関係する直・交変換器が不要になるために使い勝手が良くなるだろう。まだスマートハウスは実証試験レベルではあるが、ハウスメーカーが本気で取り組んでいるだけに、電気自動車の普及とともに予想以上の拡大をするのではないだろうか。その中核が太陽光発電だから、今後の展開を注目している。