効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

クラウド・コンピューティングと検針作業

昔電気やガスの検針というと、重い検針原簿を抱えて、雨の日などにはそれが濡れないように傘でかばいながら、読み取った数字を書き込んで、暗算で月消費量を出して顧客に渡したものだった。それがいまでは、読み取った数字をキーインする小さな端末があって、その中には個別の顧客がこれまで消費したデータが入っていて、読み取った数字を入れると自動的に計算して読み取り結果をプリントアウトしてくれる。しかし、このデータは持ち帰って大型のコンピュータに移し替えて請求書を発行することになる。ところが、ここにもIT技術の進展がさらなる効率化を見せてくれそうだ。
NECとKDDIがICタグ(電子荷札)を読み取り、電力・ガスの検針や工場設備の点検などができる携帯電話システムを開発した。システム機能をインターネット経由で利用できるクラウドコンピューティング方式で3月からサービスを始める。電気会社やガス会社の大型コンピュータではなく、どこか別のところにあるデータセンターが情報を処理するのがこのクラウドコンピューティングだ。データを携帯電話でそのまま送信できるのが特徴で、点検作業の省力化ニーズを取り込む。同システムは両社が初めて開発した主要6規格のICタグを読み取り書き込める装置を搭載した携帯電話を使う。ICタグをつけたメーターなどに携帯電話をかざすと点検対象ごとに画面が表示され、ボタン操作で検針数値や点検内容が入力できる。量販店などでの店頭在庫の即時データ、オフィスなどの警備情報の入力にも利用できる。携帯電話から集めたデータをクラウドコンピューティングで管理するため、投資コストも抑えられるという。現場から無線でデータが直接送信され、検針の場合であれば、計算結果はクラウドコンピュータから送り返されてくる。それを印刷することになるだろう。
クラウドサービスはNECが月額7300円(税抜き)から提供。2012年度に100億円の売り上げを目指す。両社はシステムの海外展開や高機能携帯電話(スマートフォン)への対応も検討する。同システムが採用するRFID(無線自動識別)型ICタグ関連サービスの世界市場規模は08年の53億ドル(約4400億円)から13年には270億ドルまで拡大する見通しだと報じられている。