制御できる機械設備や電気機器などを情報通信システムでつなぐIOTが普及すると、その分散した通信システムに必要な電源を確保する必要が極めて大きくなる。それぞれの通信制御システムに必要な電源には、大きな電力が必要とはならないが、小出力でも安定した電気を供給する方式が必要となる。蓄電池も一つの方式だが、回数は少ないとはいえ充電が必要となる。これに対応するものとしてシャープが小さな光でもIOTの制御には十分使える光発電素子を開発したと報じられている。新型電池は「色素増感系」と呼ばれるタイプのもので、屋内照明など弱い光でも発電できるのが特長。量産を2018年度中に始めるということだが、工場などで常時照明が行われているところなどでは極めて信頼性の高い電源を確保できることになる。先日熱による発電で薄膜状のものが商品化される可能性について書いたが、これなどは、回転機器の軸受けの発熱を利用することもできるはずで、使用対象によって光発電と棲み分けできるだろう。必要に応じて蓄電池との組み合わせも当然考えられる。だが、
スマートメーター設置の初期段階で、欧米ではこれが微弱な電波を出すのが健康被害をもたらすとして強い反対運動が起きたことがある。IOTの時代になれば、人の周辺には多様な微弱電波が飛び交うことになるので、周波数と電波の強さが身体に与える影響は調べておかなければならないだろう。スマートメーターへの反対論には、携帯電話が常時電波を出しているのと同じだし、出力はさらに低いから安全だとして押しきったが、さらなる調査をしておくことも必要だろう。さらには、機器データの盗み取り防止のシステムも強化しなければなるまい。