効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

大日本印刷とリチウムイオン電池

今日の新聞で初めて知ったが、大日本印刷リチウムイオン電池の電極材料を密封するフィルムで世界シェアの5割以上を占めているそうだ。それだけ技術水準が高いのだろう。太陽電池にも使われる高機能フィルムの生産能力を3倍に引き上げるのに北九州市に新工場を建設して2011年4月に稼動させる。この円高の中で外国ではなく国内で生産するというのは、それだけの技術力があって価格競争をする側面が少ないのだろう。現在遊休している工場建屋にリチウムイオン電池太陽電池用のラインを導入し、まずリチウムイオン電池向けの量産からはいると報じられている。電気自動車の導入が本格的になるのは来年からだから、その市場の動きを捉まえてのものだ。リチウムイオン電池向けには電極材料を密封する多層フィルム製のパックを生産するという。金属缶を用いる従来製品よりも電池を軽くできるために置き換えが進むそうだ。電気自動車の泣き所は電池の重量で、下手をすれば電池を運ぶために大半の容量を使ってしまいかねない。そのフィルムが大日本印刷の技術力で他を圧しているのだ。2009年の世界需要が6億個分であったのが、2010年には8億個分前後に増える見通し。同社の京都工場は年間5億個の生産能力を持っているが、電気自動車向けの納入が始まってフル稼動に近づいているために、新工場で10億個分の生産能力を確保する。
大日本印刷1社が世界のシェアの5割以上を占めるということだが、日本のフィルム技術は世界のトップを走っていると聞くから、日本の他のメーカーのシェアを入れるともっと大きいのかもしれない。最近アジア諸国に価格で負ける電気関連商品のことを聞いて心配していたが、このように元気な分野もあることを知って嬉しくなった。先手先手で世界の市場を抑えられる製品を生む技術を開発することがこれからの日本の将来を支えるという具体例を教えて貰った。