効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本の蓄電池の実力

北海道で系統安定化のためにGSユアサの大型Li蓄電池システムが稼働。系統安定化の用途で国産の大型蓄電池が採用されたのは、初めてだそうだ。リチウムイオン電池は日本で技術が開発されたものだが、電気自動車(EV)の中核部品である車載用リチウムイオン電池で中国メーカーが独走しているとのこと。中国がEVの普及に猛烈に力を注いでいるからではあるが、これから世界市場を抑えるかも知れない。PanasonicがTeslaと組んで米国にEV用Li蓄電池の量産工場を立ち上げているが、生産量が計画通りには行っていないようだ。車載用リチウムイオン電池の中国大手、寧徳時代新能源科技(CATL)が掲げた中期構想では、世界需要の2倍近い年5千万キロワット時の生産能力を2020年までに持つというのだから、中国市場からEV用だけでなく、送電系統用も含めた蓄電池が溢れるに違いない。もし安定した性能のものを大量出荷できれば、日本は完全に取り残される可能性もある。いまトヨタなどが開発に力を入れている固体電解質蓄電池が早期に商品化されるのを期待するしかないのかもしれない。しかし、日本政府が技術開発予算を削る方向に向かっているようだから、世界市場を抑えた日本の商品の力はもはや回復できない可能性もある。データ改竄などが続くのはその予兆かも。