効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートメーターのグローバルマーケット

こちらがスマートグリッドのことを少しかじっているのを知って、メーター会社の株を買うのはどうかと相談を受けたことがある。日本のメーターメーカーに関して言えば、ほとんどが電力会社と密接な関係があり、これまで世界市場を相手にしたところは少ないから、大きな期待はできないと思うと答えたことがある。その後の株価などを調べてはいないから、その友人が儲けたかどうかは知らない。
そこへ富士電機ホールディングスがスマートメーターについて米国のGEと合弁会社を来年2月に作ることが最終決定したというニュースが入ってきた。当初は今年10月の設立予定だったが中国での競争法に基づく審査が長引き延期していたという。GEはスマートメーターのメーカーとしてトップではないが大手。しかもスマートグリッドにおいても中国などアジアに深く入り込んでいる。スマートメーターの需要は、欧米だけでなくアジア、アフリカ、中南米と世界中で拡大するだろう。その時に、各地の電力やガス・水道事業の地域特性を踏まえたメーターを開発して取り付けるビジネスを世界で行うのには、日本の閉じた世界だけの事業をしていたのではまず成功するのは覚束ないと思う。その意味で富士電機の動きが今後どのような方向になるかを注目したい。新会社はGE富士電気メーターで富士電機側が50.1%と過半の出資だから、経営の主体となる。今後スマートメーターのデジタル情報処理や通信方式の標準化が行われるが、各国独自の規制もあるから、それらへの対応を迅速に行わないと競争に取り残される。GEは世界の標準化の中核にいるし、これまでの販売チャネルを通じてきめ細かい地域情報も入手できるはず。他の日本メーカーはどうするだろうか。多分日本市場だけで満足せざるを得ないのではないかと思う。その方がビジネスリスクは小さいからだ。富士電機はGEと組んでのビジネスリスクは小さいとは言えないが、世界への飛躍を狙ったのだろう。