効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートグリッドとスマートメーター

一昨日、大阪で中小企業の方に向けたセミナーでスマートグリッドの動きについて講演をさせて貰った。40人近い人が集まってくださったが、つかみ所がないものが少し分かったというコメントも戴いて有り難かった。話が終わっての質問が出なかったので、数日前の直流ビルの将来について話して見たところ、DC/DC(直流から直流)変換について、この業界の方から、直流は交流にしてから直流にするので、数パーセントの損失があるのを知っているかとのきついコメントがあった。直流送配電の可能性を話したので、交流を変圧器で電圧を変えて送る方が効率が良いのではないかとの趣旨だったようだ。DC/DC変換には、送配電で使われている周波数の交流ではないが交流を介していることは知っている、と返事をして、変圧器の損失との比較が必要でしょうと述べたら、矛を収めてくれた。終わってから御堂筋を歩いたら、綺麗なLEDイルミネーションが目に飛び込んできた。橋下大阪府知事の発案が実ったのだが、何かもう一つ集客力に結びつくプラスアルファが必要な感じがする。
スマートグリッドの中核となるスマートメーターについて、経済産業省の「スマートメーター制度検討会」は,12月16日に第8回会合を開催し,現状において考えられるスマートメーターが満たすべき要件案を示したと報じられている。遠隔検針や遠隔開閉といった機能要件のほか,取り扱う情報に関しては,電力使用量,逆潮流値,時刻情報の三つとし,電力使用量の測定頻度は30分としたようだ。(なお,ガス・メーターに関しては,使用量と時刻情報は1時間値とされた)。ただ、この情報をどのように使うか、特に需要家にどのように提供するかがまだ明確ではない。通信方式の標準化もこれから検討されるようだが。いま電力会社が取り付け始めた新型電子メーターについては、一応スマートメーターだとするお墨付きが出たとも報じられている。消費者とのインタフェースをどうするかが明確でなければ、自分の話を聞いてくださった皆さんもビジネスとしては動きが取れないだろう。