効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

スマートグリッドと標準化

日本とスマートグリッド市場との関連で嬉しいニュースが入ってきた。東芝が開発し提案したスマートグリッド向け電力送配電システムの相互接続用のインターフェースがIEC(国際電気標準会議)で承認を受けたそうだ。今後、最終国際規格案を作成し、国際投票を経て国際標準規格として成立する予定だ。採択されたインターフェース規格は、多言語による記述に対応できるデータ構造で、グリッドを構成する機器の更新に対応する管理機能も備えている。現在、欧州で製品のデータ記述仕様をIEC CDDに登録するための標準インターフェースとして広く利用されている国際標準規格(IEC62656-1)と、 CIM(Common Information Model)規格の情報を連携させる本規格を採用することで、サブシステム間の相互接続性を担保できる。東芝が提案した規格が国際標準となり、各メーカーがこの規格に準拠した機器を展開すれば、世界各国で複数のメーカーが提供する電力送配電システムの相互接続が容易になるという。
これからアジアや中南米、アフリカで送配電システムの強化が行われるが、東芝が新規格の基本を握ることになるから、国際市場でも有利になるだろう。スマートメーターの世界的メーカーであるランディス・ギア(スイス)社を買収したことから、スマートグリッド事業に積極的であるとは感じていたが、今回の規格採用は東芝が有利な事業展開を進める大きな要素となるだろう。日本のスマートグリッド技術は、日本の電力会社が消極的だったために事業としては周回遅れになっていたが、かなり日本の技術がキャッチアップしたのだと感じた次第。