効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

高圧直流送電

今日は午前10時から正午まで、東京ビッグサイトで開催されたスマートグリッドを巡る基調講演を聴いた。いつもの場所と異なっていたのでどうしてかなと思ったのだが、最初に司会者が、申し込みが多かったので、いつもの会場では納まらず、沢山は入れる部屋に変更したとの説明を聞いて納得した。会議場の固定席ではなく、パイプ椅子だけを並べてある会場で、500人程度になっている。いまスマートグリッドに社会の関心が集まっていることを示しているのだろう。
九州電力日立製作所、昨年東芝の傘下に入った世界におけるスマートメーターのトップメーカーであるLandys-Gyr社の担当幹部が講演したが、この種のものでは珍しく、それぞれに内容があって参考になるものだった。その中で日立製作所からのプレゼンの中に、これからの送配電系統に対するスマートグリッドの原則を述べた項目があって、その中に高圧送電が示されていたことに多少驚いた。これまで日本の重電メーカーは、日本の電力会社が嫌っている高圧直流送電に正面から解説することなど敢えてしようとしなかったと理解していたからだ。しかし、現在の電力供給が逼迫する中では、高圧直流送電により系統の送電損失を少なくすることが強く要請され、電力会社としても受け入れざるを得なくなっていることを反映したものなのだろう。
直流が使われる範囲が拡大しつつあることは、今回の展示会に示された太陽電池燃料電池、蓄電池のブースが多大の関心を集めていたことでも分かる。需要サイドで直流化が進み、送配電系統に直流が入れば、周波数や向こう電力制御も必要ではなくなるから、長期的には設備コストも下がるはず。これからどのような展開になるか分からないが。