効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

中国の電力系統拡充

中国が増大する電力需要に対応した発電所を設置するだけではなく、送電網も拡充しなければ円滑に電力を供給できない。特に水力発電が西北部、石炭火力発電と風力発電が北部に偏在するために、それを沿岸部の経済活動が盛んな地域へ送る高圧送電網の新設拡充が急務だ。高圧送電網は、世界の先端技術を使っていて、高圧交流であれば100万ボルトを超えるもの、高圧直流であれば80万ボルトのものがすでに設置されている。これからは、送電設備の建設コストが1000キロメートルを超える場合顕著に下がるのと、送電ロスも交流よりもかなり少なくなるため、高圧直流幹線の拡充が主流になるのではないかと思う。これから4年間で15兆円相当の設備投資が計画されているそうだ。
また、急速に伸びるメーター当たりの電力消費の抑制も急務である。そのため、2015年までに2億3千万個のスマートメーター設置が計画されている。この数は膨大だ。国土が広いから、通信網も拡充しなければならないし、変電所にもデータ受信装置が設置されなければ効果的な需要抑制は難しい。このような市場に日本企業はどの程度食い込むことができるだろうか。また、次第に中国で蓄積されるスマートグリッド関連技術は、途上国向けに輸出されると予想される。ここでは日本企業は競争相手となる。これから中国が事業として推進する大きなプロジェクトが出てくるだろうが、中国の世界戦略の一部として、官民一体となった推進策がなされるだろう。