効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

温泉の熱利用

今日の奈良新聞に、十津川村にある温泉ホテル「昴」から常時流れ出ている温泉の湯が持つ熱の利用に面白い事例が紹介されていた。この温泉宿では泉源の温度が高いため、溢れたお湯の温度が50度を超えている。このお湯を、ハーブを栽培するハウスに引き入れて、冬に温度を上げてやることによって収穫を上げ、品質も向上させているのだそうだ。収穫されたハーブはホテルの料理に提供される。いわば無駄に流れている地下からの恵みを、あまり手をかけずにうまく利用している。ハウスには地元産の間伐材を使い、地域資源を生かした施設になっている。実証実験だそうだ。実証実験の結果を見て通年栽培して、特産品としての販売も目指すという。
このようなかけ流し温泉は全国で見れば多いはず。この成果を発信すると、あちこちから見学に来るかもしれない。宿泊もできて温泉に入れて、そして温泉街の野菜需要に応える方法を知ることができるのだから、良いツアーになるような気がする。この温泉宿の暖房は何を使っているのだろう。もし石油ボイラーを使っているとすれば、この温泉からの熱をヒートポンプで組み上げて水の温度を上げてやれば、極めて効率の良い暖房システムが作れるはず。昔、ラブホテルからの排水が常時温かいのに目を付けて、ヒートポンプで給湯設備を作った人がいた。温泉熱は日本でもまだ案外利用されていないのかもしれない。源泉の温度が低くて沸かしている温泉でも、流して捨てている湯量が多ければ、その温度を利用して冷房暖房をすることができる。各地の温泉の源泉温度をまとめたデータはないかしら。一度調べてみよう。