効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

奄美大島

未曾有の豪雨に襲来で壊滅状態になった奄美大島。復旧作業が続けられてきた。住民の不安を思うと、安穏に暮らしている自分が申し訳ないような気がする。住民にとって不可欠なのは水と電気が手に入るかどうかだろう。島にある発電所自体は被害を受けなかったようだが、電線が各地で切れているのを道路が寸断されているためにその再接続がままならなかった。しかし、その困難を乗り越えて、この24日に島全体で停電が解消されたそうだ。九州電力では島内に高圧発電機車を最大で16台投入。本土からも社員と協力会社による応援部隊245人を派遣するなどして、復旧作業を進めてきた。
その復旧作業に関連して、流石と感心した情報が入ってきた。道路の寸断により、系統による電力復旧が長期化する見通しだった奄美市住用町の戸玉および市の2集落への復旧に対しては、陸上自衛隊の大型ヘリコプターが24日、九州電力の高圧発電機車(300KVA、約6・7トン)を懸吊(けんちょう)輸送した。実際の供給に向けた高圧発電機車のヘリ空輸は全国でも初めてだという。同地区の契約戸数約200戸に対し送電を実施、同日夕には奄美大島全島での電力供給が再開された。これが日本でなければ、こんな早業は不可能だろう。自衛隊の活躍も評価されなければならないが、まずこの規模に合った予備のディーゼル発電機がなければならない。さらに九州電力が損得を度外視した手段でこれほど早い復旧を実現して公益事業としての責任を果たしということも素晴らしい。このような事態に備えて、自衛隊九州電力が輸送訓練を行っていたというのも、日本の電力会社でもっとも多くの離島を持つ同社ならではのことだ。
奄美大島のような離島には今後太陽や風のエネルギーを導入して、蓄電装置も併用して電力を供給する方式に切り替わることも予想されるが、電力供給が系統(グリッド)で行われる限り今回のような停電は必ず起こるはず。必ず何かの形でバックアップ体制がなければならない。ここは九州電力の供給管内なので、電気料金は本土と同じ筈だから、そのコストを誰が負担するかなど、検討すべき課題は多いだろう。