効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツの太陽電池設置テンポ緩まず

ドイツ政府は今年、太陽電池からの電力を系統に売る時の価格を大幅に下げた。設備の価格が急速に下落するのに対応したもので、設置者が大きな利潤を手に入れないようにしたものだ。価格下落があまりに激しいので、今年は2度にわたって買い取り価格を引き下げている。そのため、太陽光発電が今年設置される量は頭打ちになるのは確実と予測されていた。ところが、ドイツ政府が発表した資料では、今年の1月から8月までで490万キロワットにもなっている。設置拠点数は17万5千カ所。
2009年にドイツが消費した電力は580 TWh。この8ヶ月に設置された設備で、ドイツの電力の1%近くをまかなうことができるそうだ。この調子でいくと、2010年末までに600万キロワット以上の太陽光発電を設置し、電力供給の1%を超えることになると予想されている。既設のもの980万キロワットですでに全体の1%の電力を供給しているから、合計すると2%になるはず。
2009年にドイツの電力の6.5%を風力発電がまかなっている。2009年に新規設置される風力発電設備は、これにさらに1%を上乗せすることになるといわれている。
日本はどうか。昨日関西電力のメガソーラー運用開始について、世界的には周回遅れだといったが、これからも太陽エネルギー利用についてドイツにどんどん引き離されそうだ。日本の太陽光発電設備は2009年末で270万キロワットほどだから、いくら頑張っても差を縮めるのも無理だろう。風力についてはまったく問題にならない。自然エネルギーの導入には、それを受け入れる送配電系統にそれなりの手を入れなくてはならないから簡単な話ではないことは分かるが、比較的導入しやすい太陽光発電についても、光の弱いドイツに差を付けられているのは情けないことだ。