効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

関西電力でメガソーラー稼動開始

これまで実証プラントとしてのメガソーラーは国内にもあったが、この5日、事業用の大規模太陽光発電設備が関西電力で運用を開始した。最終的には1万キロワット規模になる堺太陽光発電所の一部、2,850キロワットが営業運転に入ったのだ。諸外国の動きから見ると、どうも周回遅れの運用開始ではあるが、電力会社が自社設備として運用した場合にどのようなメリット、デメリットがあるかについて情報を開示して貰いたいものだ。設備のパネルはシャープの薄膜型。来年10月にフル規模になると20ヘクタールに約7万枚のパネルが敷き詰められるそうだ。パネルの傾斜角を15度に緩和し、鋼鉄製の架台を省略してコストを削減したという。埋め立て地での設置だから、軟弱地盤対策として特殊金具を開発している。台風が直接上陸する可能性もあるから、パネルに被害が出ないようにしないといけない。ただ、一部のパネルが壊れても、全体が一度に駄目になることは、全体の出力を集めて外に出す設備が被害を受けない限りないだろう。剛性と柔軟性を兼ね合わせた設備になるようにするには、日本の気候条件特有の苦労もあると思う。
この設備が連系する石津川変電所構内に蓄電池を設置して、電力需給制御システムの研究を行うことになっている。それも結構だが、できるだけ蓄電池に頼らずに、大阪湾岸にあるLNG火力発電が太陽光発電の出力変動と逆に作動して需要に対応する制御法もぜひ検証してほしい。太陽が照れば、化石燃料の使用量がどの程度減るかに興味がある。さらには、太陽電池パネルで陰になる土地部分の有効利用法もいつか考えてほしい。貴重な土地を使うのだから。
海外のように雲が殆どでない砂漠地帯がない日本では、太陽光発電の出力が、日中でも太陽が顔を出すか出さないかで変動するのは仕方がない。しかし、そのパネルにあたる光の量の予測手法も開発してほしい。出力変動が系統に与える影響を少なくするために、周辺で少し離れたところに光センサーをいくつか置いて、雲の陰がいつ来るかなどを予測するのはそれほど難しくはないと思うが、やってみると案外素人が考えるほど易しいものではないかもしれない。海外の同規模で稼動している設備との比較も貴重なデータになるはず。ぜひ多面的なデータを出してほしいものだ。