効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ドイツの太陽光発電

ヨーロッパ太陽光発電協会が2015年に向けた太陽光発電の設置動向予測を発表した。それを見ていて、昨年にドイツで設置された太陽光発電の規模が依然として伸びを示しているのに驚く。そして、太陽光発電に対する優遇措置である買い取り価格が引き下げられたにも拘わらず、今後も毎年3GW(300万キロワット)での伸びが10年間続くと予想されている。
世界の数字も発表の中に示されている。2009年に7.2GW設置されたのが、2010年の設置量は年間16.6GWと倍以上に伸びている。その結果累積の設置量は40GW(4千万キロワット)になった。この急増の要因は、ドイツとイタリアで大きな伸びが見られたからだ。2010年にドイツが7.2GW、イタリアが2.3GW設置している。日本が990MWと米国の900MWと並んでかなり後を走っている。イタリアが今後増加を続けるかどうかは政策の変化も予想されるため分からないようだ。
ドイツの設置量を見て気づいたのだが、家庭用よりも業務用の太陽光発電設備の設置量が多く、全体の70%ほどになっている。これは太陽光発電の設置が企業にとって収益に結びついているからだろう。日本では家庭用への補助や買い取り価格が優遇されていて、工場やビルの上に設置するものには収益が出ないものとなっている。いま東日本で電力供給能力が不足しているのをどうして補うかが緊急の課題となっているが、ドイツのやり方が参考になると思う。業務部門に設置される太陽光発電が5〜6年で投資回収できるほどの全量買い取り価格を設定すれば、この分野への設置量は飛躍的に増えるのではないか。今年については、東京電力管内限りであってもよいが、いずれは全国的な施策にする政策の導入がなされるべきだ。誰も損をしてまで設置はしない。優遇措置は一般の消費者に負担として跳ね返ることは確かだが、太陽光発電が増えることによって停電を回避できるのであれば、一般消費者もある程度の料金値上げも合意するだろう。その値上げ額もそれほど大きなものにはならないと思っている。