イタリアの太陽光発電設置規模の累積が今年米国を凌駕するとPlatts社が予測している。その原動力は強力なフィードインタリフ(固定高価格買取の電力事業への義務づけ)にある。2009年には全米の年間設置量を上回る規模の太陽電池が設置された。ただし、このフィードインタリフ(conto energia)は価格引き下げの方向で改訂中だが、新しい目標は2011年から2013年の3年間に300万キロワットとなっている。
2009年の設置量は72万キロワットで殆どが屋根設置。それに対して米国は43万5千キロワットだとIRECの報告原案に示されているという。イタリアのフィードインタリフは2007年の2月に導入されたが、それまでの売買できるグリーン証書制度が予期した成果を出せないのを受けてのものだった。その結果、2007年の末までに同国では前年の5倍の設置量となった。官僚制度に足を引っ張られながらも、太陽電池業界が2008年に離陸し、当時としては記録的な35万キロワット近くを設置した。それ以来設置量は毎年倍増し、2010年には150万キロワットになると予想されている。
イタリアはカリフォルニア州の4分の一の大きさ。経済規模はほぼ同じ。人口は6千万人。その国がいまではドイツに次ぐ太陽電池市場規模を持っている。IRECの予想によると、2009年末で米国の太陽電池総設置量は125万キロワット。米国が現在毎月4〜5万キロワットを設置しているのに対し、イタリアは毎月12万5千キロワットだそうだ。このペースで行くと、イタリアは太陽光発電の総設置量で見て、2010年2月末で米国を追い抜くことになると見ている。そして2010年末には、総設置量は250万キロワットを超えると想定される。
日本の2009年度の国内出荷量は日本太陽光発電協会の資料によると62万3千キロワットで、2008年度の2倍を超えているがイタリアより少ない。固定価格買取制度が導入されたのと、補助金が復活したからだが、イタリアの増加に追いつけるか。