効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

東北に大型風力発電所

ソフトバンク系の風力発電事業者、グリーンパワーインベストメント(GPI、東京・港、堀俊夫社長)が青森県つがる市に大型風力発電所を計画しているということだ。最大で55基、発電能力で合計12万6,500キロワットとなる計画。2013年夏にも着工するというが、再生可能エネルギーの全量買取価格の動向次第では計画が成り立たない可能性もある。
もう一つの課題もある。これだけの規模のものが東北電力管内に上手く入り込めるかということだ。東北電力の総発電能力は大きくない。その中に風次第で発電が変動するものでこれだけの規模の動きを補正できるガスタービン発電所があるだろうか。いま東北電力は予備電力が不足しているが、これが2013年に入って改善されるかどうかも分からないし、改善されたとしても、これだけの大きさの変動を系統に受け入れる制御をする能力があるかどうかは分からない。新たな高圧送電線も必要だろう。これを東京電力管内に送るとしても、最初は東北電力の送電系統を通らなければならないだろうから、東電と東北電力を両方同時に制御する方策を講じなければ悪くすると他の発電所の運転に悪影響を与えるかもしれない。全量受け入れが義務づけられるとしても、系統の現状から見てすぐに受け入れることは東北電力としてはできないかもしれない。特に、場所が青森で、東京電力の系統からは遠い。風力発電側で蓄電池を設置することを要求されるかもしれない。そうなると買取価格を上げて貰わないと収益性がなくなるだろう。それを避けるためには、いまから東京電力東北電力で両方の系統をうまく一体的に制御できるようなシステムを新たに開発しておかねばならぬ。発送電分離ではなく、系統制御を一体化するということだ。これも簡単な話ではないが、そのつもりで準備しておかないと、東北管内に豊富な風力の利用は一向に進まないことになることを懸念している。