効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カリフォルニアが蓄エネルギーを義務づけ

米国政府が2025年までに自動車の燃費性能を最高で1ガロン当たり62マイル(1リットル当たり約26キロメートル)に高めるという長期目標を設ける規制強化の素案を発表した。それと時を同じくして、環境政策で常に先頭を走っているカリフォルニア州が9月末、電力事業に蓄エネルギーを義務づける法律を制定した。California Energy Storage Bill AB 2514がそれだ。これは必ずしも蓄電池の設置を意味するものではないが、それも含めて風力発電太陽光発電のような自然現象によって起こる出力の変動を何かの形で平準化させるために、エネルギーを、蓄電池に蓄えるだけではなく、熱なり圧力なり、位置のエネルギーに変えることを電力会社に義務づける。
カリフォルニア州で風がよく吹くのは夜。これはカリフォルニア・インターコネクション・システム・オペレーター(CISO)のウエブを見るとよく分かる。この風力からの電力を使ってポンプで水をダムに押し上げ(揚水)たり、高圧空気を地下に押し込んだり、勿論大型の蓄電池に充電させても良い。そのエネルギー使って昼に発電する。その他に、夜間に大量の氷を作って昼間の冷房用の空気を冷やす氷蓄熱が効果的なものとして想定されている。氷蓄熱事業者は活気づいているそうだ。このような方法に加えて、この法律は間もなく本格的な販売が始まる電気自動車の蓄電池利用を促進する目的もあるのではないかと思える。おそらくカリフォルニア州には電気自動車がもっとも早く普及するだろう。それを上手に使えば電力事業は自ら蓄電装置を設置することなく蓄電をしてもらうことができる。
サンフランシスコにある大手の電気事業者PG&Eがこの5月1日から、ダイナミック・プライシングを商工業用、農業用に実施するのを公益事業委員会が認可しているのは偶然ではなかろう。ピーク、オフピークの電気料金を時間別に毎日でも変えることができる。
この法律によると、カリフォルニア州公益事業委員会は2012年3月1日までに適切な目標を事業者別に設定する手続きを開始し、2013年10月1日までに妥当性のあるコスト効果のある蓄エネルギー方法を検討させ、適切だと判断されれば、2015年12月31日までに第一次達成目標を与える。そして、2020年12月31日までに第二次目標を設定することになっている。これが実際にどのような目標と手段として具体化するか、これから注目していきたい。