効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

英国で世界最大の洋上風力発電運用開始

The Thanet Offshore Wind Farmという洋上風力発電所が英国のイングランド南東部で9月21日から正式に運用を開始した。これは100本の風車が100メートルの高さのポールに取り付けてあるそうで、総発電容量は30万キロワット。世界一の規模だという。この運用はヨーロッパで5番目の発電事業者であるVattenfallが行う。これはもともとスウェーデンの電力会社だったが、いまでは英国、ドイツなど各地に発電所をもっている。この場所には今後4年でさらに200基が増設されることになっている。
これだけの規模の風力発電が系統に接続されると、不安定な出力が系統の周波数を変動させるはずだ。しかし、英国の場合、国全体が一つのネットワークとなって電力の供給を行っているために、変動を吸収できるのだろう。日本ではよく風が吹く北海道の場合、北海道と東北を結ぶ連系線の容量が60万キロワットしかないから、北海道の変動を本土の電力系統で吸収することが難しい。残念なことだ。いま英国には500万キロワットほどの風力発電があり、洋上設置の発電機の容量比率が上昇しつつある。現時点で洋上が3割ほどらしい。
このThanet洋上風力についてはかなりの補助金が毎年つぎ込まれるために、批判の声もあるようだ。だが、EU加盟国として目標を与えられている温暖化対応責任を果たすためとして、国が強力に推進している。オランダのVestasが設備を作ったが、英国内に風力発電を作れる産業を育てるべきだという論もあるらしい。ともあれ、塩分という厄介なものによるトラブルなどなく順調な稼動をすることを期待したい。