北海道と東北地方には風力発電に向いた風がふくため、風力発電の潜在設置量は非常に大きい。しかし、それが接続される送電系統が、大きく変動する電源の接続を前提として居らず、また、風力発電は辺鄙な田舎で人口の少ない地域で設置されるので、電気を送る送電容量自体が足らないことが風力発電普及の障壁となっていた。されにこれまで北海道電力や東北電力は、系統増強のコストを風力発電事業者に負わせようとしてきたために、事業が成立しないことも多かった。
ところが、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)系統ワーキンググループ(WG)は25日の会合で、北海道エリアの風力発電の系統連系量拡大策をまとめた。北海道電力はWGで、連系量拡大の選択肢を増やすと報告し、系統側に蓄電池を置くことなど複数の方策を示したと報じられている。これまでは風力発電設備側に蓄電池を置かなければならなかったのが大きく転換する。この方式が採用されれば、北海道電力にとっても、他の風力や太陽により発電する電源の変動も吸収できるし、一般的な需要変動対応のコストもこれに吸収できることになる。 風況がよい北海道エリアの風力連系可能量(実証実験連系枠を除く)は36万キロワットで、現行の連系量は34万9千キロワットとほぼ上限。風力側に置く蓄電池容量の低減などを図った方策を北海道電力が複数示したと報じられている。
また、秋田県知事が5日、経済産業省を訪れて世耕弘成経産相と会談し、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた支援を求める要望書を手渡している。エネルギー政策の一環で、高圧送電網の構築を支援してほしい」と要求し、経産省も具体策を検討する方向に動いている。柏崎刈羽原発の再稼働とも関係することになるが、秋田県が再エネ普及の方向を示したことは大きな転機となるかもしれない。