効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

E Sourceの年次フォーラム始まる

ここ3年デンバーで開催されているE Sourceの年次会議が今日20日(月)に始まった。本格的なプログラムは明日からで、今日は、デマンドサイドマネジメントとか顧客サービス、マーケティングなど、ユーティリティーの重要プロジェクトの担当幹部が集まっての会合だった。自分は米国で仕事をしているわけではないので、本来は参加資格がないのだが、E Sourceの配慮で参加させて貰ったのはデマンドサイドマネジメントの会合だった。集まったのはカナダも含めた電力・ガス会社の担当部長クラスが50人ほど。広い会場でマイクを使った意見交換なので自分には極めて聴きにくい。英語であることと同時に多少耳が遠くなっているのが決定的に効いてくる。食事の時などの話しは特に問題はなかったのだが。
スマートグリッドが実際に進展し、次第にスマートメーターが取り付けられる数が増えるにつれて、どれだけエネルギー消費が削減されるかを示すことがユーティリティーには求められる。それは単に努力するということではなくて、州の管理当局から示された目標値をクリアーしなければならないケースが多いようだ。スマートメーターを取り付けた需要家にはエネルギー消費のデータを定期的に示すとか、インターネットで需要家が自分で見えるように設定するなどしなくてはならず、そのような作業を効率的に行うために優秀なコンサルタントやIT企業などを地元で見つけなくてはならない。それに加えてどこのユーティリティーも業界団体や消費者団体との意思疎通を図るのに苦慮しているということも報告されていた。またスマートメーター導入後、エネルギー節減効果を発揮できる時間別に変動する料金制度を導入するのにも苦労しているようだ。
日本の電力・ガス会社は需要を引き下げることを義務づけられてはいない。しかし、いずれそのような規制が欧米のように導入される可能性もあるだろう。その時に日本独自の方策を考える必要がある。いまは政府の奨励策しかないが、エネルギー自給率の低い日本は、もっとこのように強力なエネルギー消費抑制策を電力・ガス会社を通じて行う必要があるだろうと思う。