効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電気自動車の規格

日経新聞によれば、フォルクスワーゲン(VW)やダイムラーなどドイツ自動車大手5社は16日、電気自動車(EV)の充電用コネクターを共通化することで合意した。他の自動車メーカーにも開発への参加を呼びかけ、国際標準規格に育てていく考えだ。EVの充電規格では日本勢も技術標準化を狙っており、主導権争いが激化しそうだ。電気自動車については、蓄電池一つとってもメーカーがそれぞれ違った特性を持ったものを開発している。ということは、充電の仕方についても微妙に異なっていることは確かだ。日本では東京電力が中心になってチャデモという名称の充電システムを世界標準にしようとしているが、今回の規格は、充電に使う電線のコネクターという入口の話しに過ぎない。それでもこれが世界基準になると、日本のメーカーもそれに従わなくてはならなくなる。そこまで行かなくてもこのドイツ自動車大手ということはヨーロッパで採用されるだろうから、日本の自動車メーカーは充電装置についてこの規格を使わなければヨーロッパに輸出できなくなる。これが直流で充電するか交流で充電するかなどの規格になると、各国の電圧の差も大きく設計に影響してくるだろう。世界規模で加速するEV開発を巡っては、ドイツ政府は2020年までに国内で100万台のEVを普及させ、新産業の育成につなげたい考え。自動車メーカーもVWやBMWが13年から小型EVの量産に入る方向で準備を進めている。
このような動きに中国はどう動くだろうか。中国の市場は大きいし、これからの自動車は電気自動車が主流になる。その時に中国は自国の規格を定めて、それを世界標準にするよう強く働きかけるのではないか。世界の標準には採用されなくても、自国の規格に固執し、それでなければ輸入も製造も許さないという方針をとれば、市場が大きいだけに世界のメーカーは従わざるを得ないだろう。蓄電池本体の規格についてもドイツが国連に自国の基準を採用するよう働きかけている。この辺りのことについて日本はあまりに遅すぎる。電気自動車は蓄電池とモーターの性能で将来が定まるだろう。これまでの自動車製造技術の主要部分は通用せず、新しく登場する企業の知恵で優劣が決まる可能性があるのと、蓄電池やモーターの素材をどこが安く確保できるかにかかってくる。中国が電気自動車市場を制覇するかもしれない。