効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

エネルギー自給住宅

必要なエネルギーを自給できる住宅をトヨタ自動車ミサワホームが手を組んで来年にも発売すると報じられている。太陽光や太陽熱を利用して消費量以上のエネルギーを生み出せる住宅は、家庭内のエネルギーを自動制御するシステムを2011年にも実用化するという。ミサワは11月に東京都内にゼロエネルギー住宅のモデルハウスを開設する。10年度下期に商品化し、11年初めには販売する予定というから、考えていた以上にエネルギー自給住宅の商品化は早い。新型の太陽光発電システムは出力が10キロワット弱と一般的な住宅用システムの2倍以上の規模の物を設置する。エネルギーが余ったときに、それを貯めるための蓄電池も搭載する計画だ。トヨタデンソーなどのグループ各社と省エネの自動制御システムを開発する。「HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)」と呼ばれるもので、住宅のエネルギー消費を見える化し、家庭内のエネルギー消費を最適化する制御もできる。ミサワは同システムに発電量、電気、ガス、水道の使用状況を表示する装置のノウハウを提供する。
報道では必ずしも明らかではないが、いつも電力会社やガス会社に依存しないでいける訳ではないだろう。もし蓄電池が十分大きければ、電力会社の系統に接続せずに太陽光発電設備に全面依存し、オール電化で太陽だけでは給湯が不足する場合などにも対応することはできる。しかし、蓄電池が作動しなくなったりするとアウトだから、少なくとも非常用として電力会社の配電系統に接続はするはず。その時に電力会社はバックアップ設備使用料をとるだろう。それがどれ位になるか、家庭用電気料金体系も大きく変わることになるかもしれない。このシステムが普及するかどうかの鍵は蓄電池の価格と寿命だ。蓄電池は必ずしも自動車用に使うリチウムイオン電池である必要はないと思う。ほとんど維持管理が必要ないくらいの丈夫さを持ち、住宅価格総額に占める比率が下がらなくては商品として普及させるのは難しいだろう。さらに、エネルギーの生産と消費を住宅内でバランスさせて完全自給するのは簡単なことではないはずだ。